泌尿器科のがん|茂原市の泌尿器科なら佐藤泌尿器科クリニック|土曜診療

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泌尿器科のがん

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泌尿器科のがん

腎臓がん

腎臓がんは、腎臓の細胞ががん化したもので、腎がんともいいます。このうち、腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものを腎細胞がんといいます。同じ腎臓にできたがんでも、腎盂にある細胞ががん化したものは「腎盂がん」と呼ばれ、腎細胞がんとは区別されます。その理由として、腎細胞がんと腎盂がんでは、がんの性質や治療法が異なるためです。なお、腎臓がんのほとんどが腎細胞がんであるため、一般的に「腎臓がん」とは腎細胞がんのことをいいます。

腎臓がんは男性に多く発症し、好発年齢は50~60代とされます。また、慢性腎不全で人工透析を長期に渡って受けている方も腎臓がんになるリスクが上がることが知られています。

腎細胞がんは、さまざまな部位や臓器に転移する可能性がありますが、特に転移しやすい部位は肺です。骨、肝臓、副腎ふくじんや脳などに転移することもあります。
がんが初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。そのため、小さいうちに発見される腎細胞がんは、健康診断や、他の病気が疑われたために行われた検査などで偶然に発見されるものがほとんどです。肺や骨、肝臓、脳に転移したがんが先に見つかり、詳しく検査した結果、腎細胞がんが見つかることも少なくありません。

腎細胞がんが大きくなると、

  • 血尿
  • 背中・腰の痛み
  • 腹部のしこり、痛み
  • 足のむくみ
  • 食欲不振、吐き気や便秘

などが生じたりすることもあります。

転移に伴う症状としては、

  • 肺への転移:胸の痛み、咳、血痰
  • 骨への転移:骨の痛み、骨折
  • 脳への転移:頭痛・片側の運動麻痺まひ

などが見られます。
また、がんが全身へ広がると、発熱、倦怠感、体重減少などの全身症状があらわれます。

腎臓がんの検査・診断

造影CT検査が第一選択とされています。腫瘍の性質をさらに詳しく調べるためにMRI検査などを追加することもあります。
基本的には画像診断によって確定診断を行いますが、腫瘍が小さかったり、良悪の鑑別がつかない際には、組織検査(腎生検)を行います。血液検査では、特定の腫瘍マーカーはありません。そのため、血小板数・総タンパクの値が低い、CRP・LDH・アルカリフォスファターゼ・AST・ALT・クレアチニンの値が高いといった、異常がないか確認します。

腎臓がんの治療

治療法は、現段階で利用可能な最も信頼のおける治療(標準治療)を基に、患者様の身体の状態や年齢、希望含め担当医との話し合いによって決定されます。

監視療法

手術などの治療をせず、画像検査を定期的に行いながら、がんや体の状態などの経過を観察する方法です。がんが小さく、腎臓内にとどまっているような、いわゆる早期のがんで、特に、高齢であったり、他の病気にかかっていたりするために、手術をするには危険性が高い患者様では選択肢の1つとなります。

手術(外科的治療)

腎部分切除術

がんを取り除くために、がんが生じている部位の腎臓を部分的に切除する術式です。残った腎臓の機能を温存できるという利点があり、長期的な視点でみたときに、腎機能の低下とそれに伴う合併症への影響を小さくできることから、より好ましい術式と言えます。最近では、4cm以下の小さながんを対象として「ロボット支援下腎部分切除」を行う施設も増えてきています。

根治的腎摘除術

がんのある側の腎臓をすべて取り除く術式です。腫瘍や患者様の状態から、腎部分切除術の実施が適切ではない場合に選択されます。通常は、手術で片方の腎臓を摘出しても、残ったもう片方の腎臓で機能を補うことができるため、日常生活に支障を来すことはあまりありません。がんの状況によっては、腎臓だけでなく、周囲の臓器や、血管内にあるがんを切除する「静脈内腫瘍塞栓摘除(そくせんてきじょ)術」を用いることもあります。がんの周囲との浸潤具合によって、腹腔鏡手術・ロボット手術・開腹手術のいずれかが選択されます。

局所療法

がんに向かって針を刺し、アルゴンガスを用いて組織を凍らせることで、がん細胞を死滅させる治療法です。局所麻酔で施行可能ですが、腫瘍のサイズや部位によっては困難な場合もあります。とくに高齢の方を対象として、泌尿器科医と放射線科医とが連携して治療がなされています。

放射線治療(定位照射)

サイズの小さい腎腫瘍で、手術・局所治療が困難な場合に行うことがあります。

薬物療法

他の臓器への転移がある、もしくは手術が難しい進行腎臓がんには薬物療法(抗がん剤治療)を用います。薬物療法には、分子標的治療、免疫療法があります。薬物療法は施設によっては、腫瘍内科と連携して行われています。

腎盂・尿管がん

腎盂と尿管は、腎臓でつくられた尿が通る管状の臓器で、膀胱に接続しています。尿管は蠕動運動により、低圧で尿を膀胱に送ります。腎盂には、そのペースメーカーがあるといわれています。腎盂、尿管は膀胱と一続きとなっており、そのため同様の尿路上皮という粘膜で内腔が覆われています。この腎盂、尿管の粘膜から発生するのが腎盂がんおよび尿管がんです。
腎盂尿管がんの発症頻度は膀胱がんの約20分の1と比較的まれながんです。全尿路上皮がんに対する割合は膀胱がんがその大半を占め、腎盂がんは5%、尿管がんは1~2%とわずかです。

腎盂・尿管がんの症状

早期では無症状です。健康診断の尿検査で潜血反応を指摘されることもあります。腫瘍のサイズがある程度になると、自覚症状として無痛性の肉眼的血尿を呈します。腫瘍により尿管が徐々に閉塞した場合は、水腎症(すいじんしょう:腎盂から尿管にかけての部分が拡張すること)を呈し超音波検査やCT検査などで発見されることもあります。

診断

尿検査

検尿で血尿の有無を判定したり、尿細胞診で尿中のがん細胞の有無を判定します。

腹部超音波検査(エコー)

副作用もなく最も簡便に行える画像検査です。そのため、人間ドックなどで腹部臓器のスクリーニング検査として広く行われます。腎盂内の腫瘍の有無や水腎症の有無などを検査します。

CT/MRI検査

腎臓がんとの鑑別も含めて、造影CTが第一選択となります。腫瘍の大きさ、性状、周囲の臓器へのひろがりや転移の有無なども併せて評価できます。CTで造影剤が使用できない場合や腫瘍の性状判断が困難な場合などはMRI検査を行います。

腎盂尿管鏡

造影CTなどの画像検査でも、診断がつかない際に、直接内視鏡で腎盂尿管を観察します。直接腫瘍を確認することが出来、その腫瘍を少量採取(生検)してがんの病理学的検査を行うこともあります。全身麻酔となるため、検査の際は入院が必要となります。

腎盂がん・尿管がんの進行度(ステージ)によって治療法が決定されます。

転移が無い場合、患側の腎・尿管および尿管開口部周囲の膀胱壁を合併切除します。尿路がんの多発性を考慮した最も標準的な治療法です。がんの進展度に応じて開腹手術、腹腔鏡下手術、最近ではロボット支援下手術などの術式が検討されます。対側腎機能が正常であれば、術後の制約は特にありません。また、転移が無くても、根治切除が困難であると判断される筋層浸潤がんの場合、抗がん剤による化学療法を施行した後、手術を行うことがあります。逆に、手術後、病理検査の結果にて再発の危険性が高いと判断される場合(壁外浸潤やリンパ節転移が確認された方)は、術後に免疫療法や化学療法を施行することもあります。また内視鏡手術にて完全切除が困難な膀胱がんの合併がある場合は膀胱全摘除および尿路変向術も必要となることがあります。

腎盂・尿管がんの治療

腎機能保存的手術療法

1つしかない腎臓の腎盂や尿管にがんが発生した場合、両側にがんが発生した場合、あるいは悪性度の低い表在性単発腫瘍の場合などでは内視鏡的手術や尿管部分切除などによる腎保存手術を試みることがあります。

化学療法

診断時に既に転移が確認された方では初回治療として化学療法を行い、その効果をみて手術療法や放射線療法の追加が検討されます。使用する抗がん剤は膀胱がんで使用するものと同様の薬剤となります。

放射線療法

尿路上皮がんの放射線感受性は決して低くありません。年齢や合併症などにより局所治療としての根治手術が難しい方では放射線治療が選択されることもあります。

膀胱がん

膀胱がんは、膀胱にできるがんの総称です。膀胱がんの大部分である90%以上は、膀胱の内部をおおう尿路上皮にできる尿路上皮がんです。
尿路上皮がんは、がんが膀胱の壁にどのくらい深くまで及んでいるか(深達度)によって、筋層非浸潤性がんと筋層浸潤性がんに分類されます。膀胱がんには、尿路上皮がんのほかに扁平上皮がん、腺がん、小細胞がんなどの種類もあります。膀胱がんは、リンパ節、肺、肝臓、骨などに転移することがあります。
発生率は男性が女性の3倍と言われ、女性よりも男性がなりやすいとされています。また、60歳以上の高齢者や喫煙者、染料や特殊な化学薬品を扱う職業の方もなりやすい傾向があります。

膀胱がんによく見られる症状として次のものが挙げられます。

  • 痛みを伴わない血尿
  • 頻尿
  • 排尿時の痛み
  • 尿が残る感じ
  • 切迫した尿意
  • 尿が出にくい
  • わき腹、腰、背中が痛む
  • 足がむくむ

発症リスクとして最も大きな要因として考えられているのは喫煙です。男性の50%以上、女性の約30%の膀胱がんは喫煙により発生するという試算があります。また、ゴム、皮革、織物、色素工場で使用するアニリン色素、ナフチラミン、ベンチジンといった化学物質への慢性的な接触も膀胱がんの発症に関係するといわれています。

膀胱がんの検査では、まず尿検査を行い、尿の中に血液やがん細胞が含まれているかどうかを確認します。さらに、超音波検査や膀胱鏡検査を行い、がんであることがわかった場合には、転移の有無や膀胱内のがんの深さや広がりを確認するため、CT検査やMRI検査などの画像検査を行うこともあります。膀胱がんの確定診断のためには、治療を兼ねたTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を行います。

前立腺がん

前立腺がんは、前立腺肥大症とともに、中高年の男性において注意すべき前立腺の病気のひとつです。
前立腺がんの発生には男性ホルモンが関与しており、加齢によるホルモンバランスの変化が影響しているものと考えられています。
前立腺がんの大半は、ゆっくりと進行するため、早期に発見できれば、ほかのがんに比べて治りやすいがんであるといえます。
しかし、初期には自覚症状がほとんどないため、発見が遅れることがあります。
がんが進行すると次のような症状が現れます。

  • 尿が出にくい
  • 排尿時に痛みを伴う
  • 尿に静液や血が混じる

さらにがんが進行すると、前立腺周囲の骨盤骨や腰椎を中心とした骨へ転移します。骨に転移した場合には、骨痛や病的骨折を引き起こします。

主な検査はPSA検査、直腸診です。これらの検査で前立腺がんが疑われる場合には、経直腸エコー、前立腺MRIを行います。
更にがんが疑われる場合には、確定診断を行うために前立腺生検を行います。
がんが確定した際には、局所の広がりや転移の有無をCT検査(リンパ節、肺、肝臓などの臓器転移)骨シンチによって調べます。

精巣がん

精巣がんは精巣にできる悪性腫瘍です。10万人あたりの発生率はおよそ1人で、男性の全腫瘍の1%程度と非常にまれながんです。
しかし、2030歳代の男性においては最も多い悪性腫瘍といわれ、若年者に多いことが特徴です。
精巣がんに関連する病気として次のものが挙げられます。

精巣上体炎

陰嚢内に硬いしこりを触れます。感染症なので急性期には尿中に白血球を認めたり、痛みや発熱などの症状を伴ったりすることが多く鑑別可能ですが、慢性期には診断に苦慮することもあります。

精巣炎

炎症所見が弱いものや、結核性のものなど注意が必要です。

陰嚢水腫、精液瘤

透光性検査や超音波検査で容易に鑑別可能です。

精巣がんによくみられる症状として次のものが挙げられます。

  • 陰嚢(玉袋)の腫れ
  • 睾丸のしこり

初期症状は、がんができた側の陰嚢(玉袋)の腫れや睾丸のしこりです。痛みは伴いません。

原因はわかっていませんが、停留精巣といって、精巣が陰嚢内におりず腹腔内に残っている患者様では、修復術施行の有無に関わらず一般男性に比べ精巣がんになりやすいといわれています。また、片側の精巣がん患者様が、反対側に精巣がんを発生する頻度は20倍以上とされています。その他に、家族の病歴や外傷なども精巣がん発生のリスクとされています。

泌尿器科医が触診すると、精巣がんの可能性をある程度判断でき、その他の陰嚢疾患との判別に役立ちます。ずしりとした重みのある精巣を触れます。反対側の正常な精巣と比較し、精巣上体ではなく精巣そのものにしこりや腫れがあることを確認します。